ランサーEVO4までの4G63で強化クラッチを使用している車に多いトラブルです。常に強い力でクランクシャフトのスラスト方向(軸方向)への力が加わることにより、メタル表面の油膜切れを起し、スラストメタルが異常磨耗してしまいます。
EVO1~EVO4までの4G63はクランクシャフトのセンターメタルとスラストメタルが一体になったタイプを使用しており、このタイプに比較的多く発生しています。EVO5以降の4G63では、この部分が対策され別体タイプとなっており、同様のトラブルの発生は少なくなっています。初期の段階で発見できればメタル交換のみで修理可能ですが、磨耗が進むと、場合によってはクランクシャフト、シリンダブロックの交換が必要となるケースもあります。クラッチペダルの踏み代やクラッチの繋がる位置が上下する、という症状が発生したら要注意です。
今回の点検では、このスラスト方向のガタを点検します。