タイミングベルトはクランクシャフトの回転を2/1の回転数でカムシャフトを回転させる働きを持っています。通常はゴムを主な素材にガラス繊維を合わせたもので作られています。通常の使用では10万Kmが交換の目安とされていますが、スポーツ走行では、高負荷、高回転の多用、それによる過大な発熱などの影響により劣化が著しく速くなることが確認されています。劣化が進んだベルトでは、ベルトの谷部分にひびが発生し、そのまま使用するとコマ飛びや破断に繋がります。
ファンベルトも同様にゴムを主な素材として作られていますので、経年変化によるひび割れや緩みによる磨耗、異物の噛み込みによる傷つきなどが破断の原因となります。特にランサーEVO4以降では、オルタネーター(発電機)やエアコンコンプレッサー、パワステポンプなどを1本のベルトで駆動していますので、このベルトが走行中に切れた場合、非常に危険であるとともに、完全に走行不能となってしまいます。
また、ファンベルトを駆動しているクランクプーリーも4G63ではトラブルの多い部品です。プーリーの内側とベルトの掛かる外側とに間にゴムが挟まっている構造のため、このゴムが劣化することにより内側と外側が剥がれファンベルトを駆動できなくなるトラブルが発生します。
今回の点検では、タイミングベルト、ファンベルトとも裏表の状態と張り具合を点検します。また、同時にクランクプーリーのゴム部分のひび割れも確認します。お車の使用状況にもよりますが、ファンベルトは3万Kmを目安に交換をお勧めします。また、タイミングベルトは、スポーツ走行や競技での使用頻度の高い方は5万Kmでの交換をお勧めします。
タイミングベルトの交換には、標準品の他に耐久性、耐摩耗性を高めたモンスターオリジナル強化タイミングベルトをご用意しております。強化タイミングベルトは高耐久性と合わせ伸びを抑えた構造を採用することにより、正確なバルブ駆動を約束します。タイミングベルトの交換と同時にバランサベルトもセットでの交換をお勧めします。